ポリウレタン塗装のギターの打痕修復に瞬間接着剤

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ロックギター関連

これまでに一番やりたかったギターフレットすり合わせと、
金属パーツ磨きを終わらせ記事にしました。
さて今回は気になる打痕修復です。

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ポリウレタン塗装ギターの打痕とは?

ポリウレタン塗装とラッカー塗装の見分け方

塗装についてはプロのギター工房や塗装屋さんが書いた記事を見るのが良いですが、
いくつか意見の違う書き込みもあるようです。
さて、ラッカー塗装の特徴として何十年もたったものなら塗装のひび割れによるウェザーチェックが出る可能性が高いことと、ラッカーシンナーを落とせば塗装が溶けて剥げることが分かりました。

1980年代のGRECO GOⅡ- 950 のこのギターはラッカー塗装なんだろうとずっと思ってましたが疑念が出ました。
あまりに塗装の状態が良く、ウェザーチェックも出てません。
そこで、補修でどうせ剥がす部分にラッカーシンナーを落として様子を見ましたが
溶ける様子はなく、拭き取りと同時にこすってみても塗装はびくともしませんでした。
これでポリウレタン塗装だと確信しました。
塗装がシンナーをはじくことから、ポリウレタン塗装の上にラッカー塗装はのらないという話に納得です。※1
※1:完全に硬化したポリウレタン塗装でも下処理をすればその上にラッカー塗装も可能という話もありますが、個人的にはギターでポリウレタン塗装した後にラッカーを吹く場面はあまりないのではないかと思います。

ポリウレタン塗装の部分補修は難しい???

上の一枚目の写真は打ち付けてできたキズ。
できた当初はへこんだだけだったかもしれませんが、
今は塗装がひび割れて白く見えます、下地が見えてるわけではありません。

二枚目の写真は赤で囲った部分が打ってへこんでますが、
そこに塗装は残っていてその周りの塗装が長年の間に剥げています。
ポリウレタン塗装はある程度厚みがあるので(決して分厚いわけではない)劣化して何かの拍子にひびが入ればパリッとはがれるのが特徴です。

ポリウレタン塗装の部分補修が難しいという記事を目にしました。
完全に硬化したポリウレタン塗装が残っている上からポリウレタン塗料を塗っても密着性が悪く硬化した後にはげ落ちるという話や、最初からはじいて塗料がのらないという話だったり、サンドペーパー#400くらいで下地を作れば重ね塗り可能という話もあります。

一方、ラッカー塗料は有機溶剤(いわゆるシンナー)を使っているので、上に塗ったラッカー塗料は下のラッカーを溶かし密着、塗装が一体化するということらしいです。

このギターはポリウレタン塗装ですが、小さい打痕は塗装が残っており、剥げてしまった部分は下地の木材が出ています。
しかも塗りつぶしではなく、木目を生かした半透明の色付き塗装です。
実は、木材が出ている部分は自分で判断を誤り、数回塗っては剥がしを繰り返すことになりましたがそれは次の記事にまとめます。

塗装が残っている小さな打痕は保護目的で瞬間接着剤に決定

さて、下のような打痕を瞬間接着剤で塗り目立たなく保護したいと思います。
表面のひび割れて白かった部分をある程度削りましたが、あまりやって下地のサンドシーラーの焦げ茶色が出てくると困るので妥協しました。
狭いのでサンドペーパーを折った角や先がとがった綿棒にコンパウンドを塗って下処理しました。

木材が見えてしまっている部分も瞬間接着剤でと思っていたので、木材用アロンアルファを買いました。
ノーマルの液体タイプより粘度があり硬化時間も長くなります。
別売りの先細ノズルもあった方が良いです。
瞬間接着剤のメリットは
・透明性が高い
・硬化時間が短い
・硬化した後は研磨できるくらい硬い

木製家具などの大きな穴埋めにはエポキシ樹脂のパテで埋め、上から塗装する手もありますが、売っている容量が多く2液混合して作るので今回のような小さくクリア塗装面には不向きです。(クリアなエポキシもあるのかもしれませんが・・・)

下は一度塗り、完全に硬化してから2回目が硬化したところです。
この後、プラスチック用コンパウンドで磨き元の面より高くなるまで重ね塗りします。

他の気になる打痕も同じ工程です。

木工用アロンアルファを盛った時点では多少白濁したかに見えましたが、
サンドペーパー#1200、#2000で盛り上がった瞬間接着剤を元の曲面になるように削り、
プラスチック用コンパウンドで磨くとクリアに仕上がります。
ポリウレタン塗装と瞬間接着剤の境目も同化して全く分かりません。
透けて傷の個所は見えますが打痕のまま放置するよりは目立たない+木材の保護になると思います。

下の写真は赤丸の中が瞬間接着剤で修復した打痕。

まとめ

  • ポリウレタン塗装はシンナーへの耐性がある
  • ポリウレタン塗装が残ったままの小さな打痕なら瞬間接着剤で修復可能
  • クリア度が高いので木目は生かせる
  • ポリウレタン塗装との密着性もよく境目は分からない
  • 瞬間接着剤を塗る前にひび割れた塗料は削り、元の塗装の色が出るように磨く
  • 木工用瞬間接着剤は適度な粘度があり使いやすいが一気に厚塗り過ぎると硬化に時間がかかる

ということが分かったギターのボディーの打痕を瞬間接着剤で修復した経験談でした。
次回の記事では、ギターのポリウレタン塗装が剥げて下地が見えている個所の修復での失敗談含め、水性ポリウレタン塗料・水性ポリウレタンニス・油性ポリウレタンニスが登場します。

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