コスパ!素人のギターフレットすり合わせ

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ロックギター関連
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フレットすり合わせとは

ギターのフレットを上から見て、
すり減りや弦の押さえ跡などがなくなるまで全フレットを同じ高さに低く削ります。
※赤部分がキズや削った後

フレットをサイドから見たイメージでは、
フレットレベラーという平面を当て高低差を把握します。
それにサンドペーパーを貼ったもので全フレットを同じ高さになるように削ります。

その後、
フレットが平らに削れた部分をフレットクラウンファイル(ヤスリ)で頂点を丸く戻します。
赤い部分のように頂点出しします。
フレットの元の幅・形状は様々な製品がありますが、
ヤスリ面のRはミディアム~ミディアムジャンボ用で2Rのようです。
そのR面でフレットを削っていくので、
オリジナル形状とは変わってしまうかもしれません。
スモールフレット用に1Rがありますが、
幅も狭いのでミディアムフレットはヤスリに入らないと思います。

コスパよく初めてでもできるギターフレットすり合わせ実践編

今回使った道具

直線定規
(金属製60cm、40~50cmがベター。
フレットレベラーの代替、全体の平面度合いを見る)
直線定規
(プラスチック製、15cm程度。
ローポジ・ハイポジでフレット3本に渡す長さを切って作る)
マスキングテープ
油性マジック
ギターのハードケース(作業台の代替)
100円ショップのハンドサンダー
100円ショップのハンドサンダー用金属用耐水サンドペーパーセット
100円ショップの水平器
フレットクラウンファイル(魚地球ブランド)
自動車ボディ用キズ消しコンパウンドペースト極細
車のヘッドライト磨きコンパウンド用布
新聞紙
使い古し歯磨きブラシ

ネック状態を見る

トラスロッド調整し、おおよそ目視で真っすぐにする。
直線定規をあてて見る場合、指板より長い定規はピックアップ、ブリッジ等に当たり、
弦を張ったままでは無理。
弦高を音づまりするまで下げてどのポジションで弦がフレットに当たるか見極め、
フレットの高低差を把握する。
この時点で、セットしたい最低弦高で演奏に問題なければ、
すり合わせまで必要ない。
微調整だけで済むならフレット頂点出しをやればOK!
何ならフレットクリーニングだけでも良い。
今回はフレットすり減り部分も多く、
トラスロッド微調整でごまかせない高低差発見し、
ネックの1弦側と6弦側で0.1mmレベルで反りの状態も違う。
好みの最低弦高まで下げれないので、すり合わせ必要と判断。

何はともあれ、
弦を外し、直線定規が若干長く邪魔なのでブリッジも外す。
本来はネックをボディーから外し、ペグも外し、
ネックピローなどの上に固定するが、
スルーネックギターのため、
また、ネックスタンドなど持ってないのでギターケースを作業台とする。
重要なのは、
フレットだけ見えるように指板保護のためのマスキングテープ貼り。

フレットの頂点出し

最初で最後かもしれないフレットすり合わせに道具そろえることを躊躇し、
フレットクラウンファイルのみ購入。
ヤスリを動かす方向が決まっているタイプもありますが、
これはどっちでも行けそうです。
削って戻す際、フレット上を滑らすようにしました。
深く削る場合ノコギリのように前後に削っても大丈夫です。

ズルズルズルっとゆっくり動かすと、ヤスリの目の跡が残るので、
ロングストロークでもショートストロークでも速めに動かします。
やすりの目のキズか付いたら最後に全体をなめて落とします。

削りたい部分をマジックで塗り、マジックの落ち具合で削れ具合を見ながら進めます。
一番すり減って低い部分に合わせて頂点出しするので、すり減ってなかった部分も低くなります。
ヤスリがフレットエッジから落ちると、はずみでネックを傷つけるので、
持ち方を工夫して、フレット上でヤスリを動かすようにした方がいいです。

他のフレットよりあまり低くなると、そのポジションを抑えた時に音づまり(他のフレットに触りビビり音がする)となります。
重度のフレットの減り修正は、すり合わせしかなくなります。
下記は、
1F、2Fのフレットクラウンやすりがけ終了。
磨き前です。

この後、
フレット長さ方向に、金属用サンドペーパー#1200→#2000と磨き、
車キズ消し用コンパウンドペーストを布に塗り、指先で磨きます。
サンドペーパーは、指先サイズ(1.5cm四方)くらいにカットして使いました。
あ、最後にコンパウンドはきれいに拭き取ります。

※スルーネック・セットネックの場合の注意
ネックを外せないので、フレットクラウンやすりのハイポジション作業でボディを傷つけるので、要注意。
サンドペーパーも大きいまま使うと同様。

フレットのすり合わせ

普通は、すり合わせ後に平らになったフレットの頂点出しします。
が、今回は全フレットですり減り部分・キズがなくなるまで頂点出しした後に、
すり合わせまでやってみようと思い立ったので、順番が逆です。
結局、すり合わせで平らに削って、また頂点出しするので仕上がりは同じです。

100円ショップでハンドサンダーと金属用耐水サンドペーパーセットを見つけたことで、すり合わせもやってみようということになりました。

何はともあれ、
作業台のネックの指板が直線であることが前提です。

定規のヘリをフレットレベラーとして平面度を見ます。
ネック中央部分が定規に当たっていません。
ところが水平器では、ハイポジからローポジまで目視で傾斜の差は分かりません。
(コンマ数ミリの順ぞりでネック中央部が下にたわんでいる)

ギターを立てると逆に微妙に逆ぞりになるので、
ネック中央部をちょうどいい高さの箱で支えたり手で持ち上げたりしているうちに、
ほぼ真っすぐになったのでこのまま作業しました。
※実際は、この時点で定規に中央部が当たるようにトラスロッド調整するのが正攻法です。

弦高を下げた時に怪しいと思っていた、先に弦が触れる高いフレットを見つけました。
下記のようにハイポジから定規を滑らせていくと当たるフレットです。
1・2弦6F、3・4弦9F、5・6弦5Fが明らかに高いので、
フレットクラウンやすりであらかじめ落としました。

ハンドサンダーにサンドペーパーを取り付けます。
がっつり削り落とすには、#300のような粗目ですが、
今回はサッとならすだけにするので#800を使いました。
フレットにRが付いているので、指板中央部、1弦側、6弦側と均一に削るのがみそです。
全フレットの頭をマジックで塗り
中央部から始め、基準となるハイポジ側を平らにし、ミドルポジション・ローポジションと移っていきます。
今回の場合あらかじめフレットの高低差が少ないのが分かっていたので、
全体に均一にハンドサンダーを当てるようにざっくり行きました。
もし、粗目の#300くらいで削ったらフレットの長さ方向に#600→#800と使って、
削った線を消す作業が入ります。

さあ、フレット頭を平らに削ってしまったので、
ここでフレット頂点出しです。
先に説明した手順で行います。
コンパウンド磨き仕上げまでやると下記の通り完成です。

最終的に、今更ですが0.1mmくらい順ぞりなのをトラスロッドで0.1mm逆ぞりに調整しました。
それでも、1Fだけがやけに高いのが分かったのでフレットクラウンやすりでもう一度落としました。
1Fは元からあまり減ってなく、ハンドサンダーもよく当ててなかったので取り残されたようです。

フレットすり合わせ作業風景動画

フレット磨き&指板クリーニングだけでも気分はアップ

フレットはそんなに傷んでなくでも長く使うと汚れでくすみます。
マスキングテープで指板保護して、コンパウンドで磨くだけでもピカピカになって気分は上々になると思います。
指板とフレットの境目が磨きずらければ、綿棒使うか、#2000のペーパーの縁でこすればできます。

もう一つは、指板クリーニング。
長年使っていると手垢・汗などが原因で汚れて跡になってますよね。
レモンオイルで磨くのが定番です。
汚れ落としと保護剤を指板の木材にしみこませる効果があります。
ちなみに、指板ががっつり塗装されたものは普通にギターポリッシュで磨けばいいと思います。

ギター用ツール紹介

フレットクラウンファイル

ツールを初めて購入する際、どれが信頼できるかわかりませんよね。
魚地球印は使ってみたので信頼できます。
HOSCOも日本の楽器用ツールメーカーなので信頼できると思います。
ダイヤモンドヤスリ式のフレットクラウンファイルは、HOSCOにせよStewmacにせよ新品ではお値段高いです。
Stewmacと同じ形の他ブランドものは全部中国製のコピー商品で、当たりはずれでRがきちんとついてないこともあるようです。

フレットレベラー

金属製の角柱タイプにサンドペーパーを張り付けて使うタイプは安いし、多く見かけますがほとんど発送元が中国です。
サンドペーパーは裏が粘着テープになってなくても剥がせる両面テープで使えます。
R付きで木製のサンディングブロックも売ってますが、指板のRにあったものにきちんとサンドペーパーを貼ればRを保ったままフレットすり合わせに使えそうです。
ネックピローなるものも売っていて便利。
筆者のようにギターケースを作業台として使わず、硬い平らな面に置いてボディから外したネックをのせて使います。
ペグの重さが邪魔になるのでそれを外すにはドライバーやナット回しが必要です。

セラポブロック

金属用耐水サンドペーパー#2000の代わりにゴム砥石セラポブロック#500という製品があります。
弾性ゴムに研磨剤が練りこんであり、曲面を磨きやすそうです。
カッターで切っても使えますし、研磨カスが消しゴムのように出るので掃除も楽らしいです。

指板メンテナンス

指板クリーニング・保護用のレモンオイル。
ローズウッドやエボニーなどでオイルを浸みこませて塗装してない指板の汚れ落としとオイル塗布効果があります。
製品名だけで中の成分はレモンオイルを使っているわけではないですが、レモンの香りが付いていて定番です。
いくつかのメーカーからレモンオイルやそれと同じ用途の製品が出ていますが、
配合や粘度は様々です。
筆者はフィンガーイーズを弦の上からスプレーして演奏してましたが、幸い指板は傷んでいません。

外観メンテナンス

ボディ・ネック塗装面ツヤ出し

ギターの塗装面を磨くには一般的に楽器屋で売っているギターポリッシュでいいですが、マット仕上げ面に使うとそれが損なわれ、ツヤピカ仕上げになるので要注意。
研磨剤を含まない、サテンフィニッシュ(マット仕上げ)にも使えるポリッシュを使いましょう。

金属パーツ磨き

コンパウンド(研磨剤)を含む金属パーツ磨きは楽器屋さんにもいろいろ売られていると思いますが、ホームセンターでピカールのチューブ入りを探すのも手ごろです。
しかしゴールドパーツにはそういったものを使うとメッキがはがれてシルバーの地が出てきます。
金属メッキ専用クリーナーSHINYMANというものがあり研磨剤を含まず、くすんだものをピカピカに戻す用途で使えます。
メッキが腐食してできたブツブツは下地が見えるのを覚悟で研磨剤で落とすしかありません。
塗装用・金属パーツ用いずれにせよ目立たないところで使って異状ないことを確かめてみることをおすすめします。

まとめ

さて今回、身近にあるものを代用してギターフレットのすり合わせが、
見た目に関しては納得いく状態に仕上がりました。
コスパに関しても、フレットクラウンファイルのみ購入必須でしたが、
100円のハンドサンダーとサンドペーパーセットは十分使えましたし、
仕上げ用のコンパウンドは車のボディ用が代用できて安く上がりました。
この記事をアップしている現在、
弦を貼って音出ししてないので、結果はまた書きたいと思います。
これから、金属パーツ磨きやナットの掃除、ボディーの打痕修復などやってみたいと思います。

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